練習場の打ちっぱなしで腕を磨いたらいよいよコースデビューですね。
早起きをしてゴルフ場に到着。朝の澄んだ空気の中、緑に囲まれたゴルフ場は本当に気持ちの良いもので、気分も高揚してくる瞬間です。自然の中でプレーするのは練習場で打つのとは一味も二味も違います。
そんな期待に胸を膨らませつつも、初めてコースに出るとなると色々と不安もあるでしょう。
本番のコースではいろいろとマナーや守るべきルールがあります。同伴者や周りの人に迷惑をかけないためにも、きちんとルールを守ってプレーするようにしたいものです。
そこで、コースデビュー時に最低限守らなければいけないティーショットのルールやマナーについて紹介します。
ティーショットって何?
そもそもティーショットとは何でしょうか。どのスポーツにもその競技独特の名称がありますが、ゴルフにも専門用語があります。ここでは、ティーショットに関する用語を解説します。
ティーショットとは
ティーショットとは、それぞれのホールで最初に打つ1打目のことを言います。
ティーとは
ティーショットのティー(tee)とは、いろいろと語源もあるようですが、一般的にはボールを乗せる小さな台座のことを言います(正式にはティーペグと呼びます)。
最近ではティーにも様々な種類が用意されていて、木製やプラスティック製、長さの調整ができたり、地面に固定できたりするタイプなど様々です。ゴルフショップで自分の好みのものや使いやすいものを選ぶといいでしょう。
ティーアップとは
ティーショットを打つ時には、ティーの上にボールを乗せて打ちます。このことをティーアップと言います。
このティーアップは原則としてティーショットを打つ時だけに認められています。練習場で練習したときのように、ティーアップすることで安心が出来ますよね。
ティーイングエリアとは
ティーショットを打って良い場所を、ティーイングエリアと言います。良くティーグランド(ティーインググランド)と呼ばれる方が多いですが、2019年の規則改正から正式にはティーイングエリアと呼び方が変わりました。
ティーショットはどの順番で打つの?
いよいよコースに出る時が来ました。では、ティーショットを打つ順番はどう決めるのでしょうか。
スタートホールでのティーショットの順番の決め方
スタートホールで最初にティーショットを打つ人の決め方には、実は特に決まったルールはありません。じゃんけんやあみだくじ、年齢順・・・などなんでも構いません。
ですが、大抵のゴルフ場ではスタートホールに、くじ引き用の金属製のスティックが用意されています。それを使用して順番を決めるのが良いでしょう。
オナーとは
最初にティーショットを打つ人のことをオナーと呼びます。これは「honor(栄誉)」で、スコアの一番良かった人に敬意を示して、お先にどうぞ、ということを示しているのだと言われています。よく、オーナー(owner)と勘違いしている人もいるので、恥をかかないようにしましょうね。
2ホール目以降のティーショットの順番の決め方
ティーショットの順番は、2ホール目以降からはある決まりがあります。
それは、直前のホールでスコアの良かった順(最も打数の少なかった人から順番)に打つ、というものです。
同スコアの人がいた場合
もし、直前のホールで同スコアの人がいた場合には、更にその前のホールで順番が早い人から打つようにします。
但し、間違えて先に打ってしまっても罰が課されることはありません。また、後ろの組の人を待たせ過ぎる可能性がある時などは、順番を変えるなどの臨機応変に対応することも大事です。
ティーイングエリアが異なる場合
一緒に回る同伴者の中にはバックティーやレギュラーティー、レディースティーなど性別やレベルによってティーイングエリアが異なることがあります。その場合は、後方のティーイングエリアで打つ人を優先して、そのあとにレディースティーから打つようにしましょう。
これは、レディースティーは前方にあるために、前方で待機すると危険であること、プレーの進行をスムースにし後続の組をなるべく待たせないようにするためです。
ティーショットはどこから打つの?注意点やマナーは?
先ほど、ティーショットはティーイングエリアから打つ、と書きましたが、ティーイングエリアとはどの範囲なのでしょうか。ティーショットの手順とともに紹介します。
ティーショットの手順
ティーマークを探す
まずは、ティーマークを探しましょう。ティーマークとは、左右二つで対になっている杭のことです。それぞれ青や白、赤などの色が付いています。実はこれがティーショットを打つ際のスタートラインになっています。
ティーマークの色分けの意味
ティーマークの色分けにも意味があります。一般的には
●上級者が利用するバックティー(青色が多い)
●標準的なレギュラーティー(白杭)
●飛距離の出ない方向けのレディースティー(赤色)
などに分かれています。コースによってはシニアティーやジュニアティーなどもありますし、色分けが違うこともあるので、各ゴルフ場の決まりを確認しましょう。
女性であれば前方にあるレディースティーを利用するのが良いでしょう。
ティーイングエリアの確認
スタートラインがわかったところで、ティーイングエリアを確認しましょう。
ティーイングエリアは、対になったティーマークの先端を結んだ線上から後方2クラブの範囲内と決まっています。
あくまでもボールを置く位置が重要なので、足がはみ出している分には問題はありません。
ティーショット時のマナーや注意点
挨拶は大事に
ゴルフはマナーのスポーツとも言われています。
朝一番のスタートの時には、今日一緒に回る同伴者に対して「今日一日よろしくお願いします」と挨拶してからティーショットに入ると良いでしょう。
ゴルフはスポーツであるとともに、貴重な社交の場であり、友人であれば親交を深める場でもあります。是非、会話を自然に弾ませるためにも挨拶は大事にしましょう。
同様に後半のハーフスタート時にも「では午後もよろしくお願いします」と挨拶するとスマートですね。
音出し・おしゃべりは慎む
同伴者が打つ時には、音を立てたり、おしゃべりは慎みましょう。打つ人の視界に入るような位置に立つことも集中しているプレイヤーの邪魔になりますので避けましょう。
>>素振り時は周りを確認しよう
素振りをする際は周りをよく確認しましょう。夢中になって素振りをしたら同伴者にぶつけてしまった、なんて思わぬ事故となることもあります。
待機時の立ち居振る舞い
待っている時は、打つ人のあまり近くに立ったり、前方にいるとミスショットでボールが飛んでくることもあります。なるべく離れて見守るようにしましょう。
ミスショットが目に当たり、大けがをした人もいるので、くれぐれも気を付けるようにしましょう。
ティーショットを打つタイミング
ティーショットを打つタイミングですが、前の組がまだ前方に見えている場合は危険なので打たないようにしましょう。キャディーがいる場合には指示に従うと良いです。
セルフプレイの際も、自分の打球が届かない位置まで前方の組が移動したことを確認した上で打つことにします。くれぐれも前の組への打ち込みには気を付けましょう。
罰則になる時は?
ティーイングエリアをはみ出してボールを置いて打ってしまうと2打罰が課されるので要注意です。
なお、ティーショットを打つまではインプレーにならないので、ボールを置き直したり、ティーからボールが落ちてしまっても罰則にはなりません。素振りをしていて風圧でボールが落ちても同様です。
但し、明確に打つ意思をもって空振りした場合は1打にカウントされます。
どのクラブを使ってもOK
ティーショットはドライバー!と決まっているわけではありません。
どうもドライバーが苦手で・・・という方は、3番ウッドや5番ウッドなど自分が得意なクラブを使用しても大丈夫です。
ティーアップはしなくても良い
ティーアップは必ずしなければならないということではありません。
ショートホールでアイアンやユーティリティを使う場合、ティーアップしないほうが打ちやすい、という人は、直接地面に置いて打っても問題ありません。
(もちろんドライバーでもティーアップしなくても良いですが、それはかえって難しくなるのでお勧めはしません・・・)
ティーショットの基本と極意
では、ティーショットの基本と極意について紹介しましょう。
あさイチショット
朝一番のティーショットはとても緊張するものです。体もまだほぐれていない状態なので、まずは大振りしないよう、肩の力を抜いて気を楽にして臨みましょう。
最初のティーショットはその日の気分を大きく左右するものです。クラブを少し短く持って、8分の力で打つなど調整してみましょう。
3ホール位回って体もほぐれてきたら、いつもの調子でしっかりと打つようにすると良いでしょう。
ルーティンを決める
ティーショットはリズムが大事です。自分なりのルーティンを決めると良いでしょう。
ルーティンとは、打つまでにいつも決まった行動をするというものです。
例えば、素振りは後方で2回、打席に立つ時は足を揃えて右手からクラブを握り、軽く肩を揺らしてから構えるなど。
一見どうでも良いようなことですが、リズムを作り、心と緊張を整える効果があります。安心感の源にもなりますよ。
その他の注意事項
打つ方向について
練習場では打つ方向に向かって線が引いてありますが、実際のゴルフ場では目からいろいろな情報が入ってくるので、知らず知らずのうちに目標と違う方向を向いてしまうことが良くあります。
打つ方向を定めたら、立っている位置のすぐ先に目印を見つけて、そこに向かって真っすぐに構えられるようにすると良いでしょう。
打つ場所について
打つ場所は、ティーイングエリア内からならどこから打っても良いので、一番打ちやすいところを探して打つようにしましょう。
例えば、いろいろな人が打った後などは、ティーの刺しにくい場所があったり、足場が荒れていることもあります。なるべく平らで、気にならないような場所を選びましょう。
さらに、左側に林が迫ってOBが怖い、など気になるものがあれば、少し左側に立って視界を右側に向けてフェアウェイが広く見えるようにしてみるなど、心理的な負担を無くすことも効果があります。
まとめ
ゴルフはストローク数の合計で楽しむスポーツです。ティーショットもパットも一打は一打。とはいえ、ティーショットがうまく決まると気分も上がって気持ちよくプレーができるものです。それに、ティーショットは誰もが平等に同じ場所から打つことができるので、普段の練習の成果が出やすいショットでもあります。
スタートを気分よく切れるように、是非ルールを守ってナイスショットを頑張ってくださいね。