ゴルフコースには、ゲーム性を高めるために様々な障害物やハザードが用意されています。単に真っすぐ飛ばしたからといってスコアに直結しないところがゴルフの面白いところでもありますね。その中でも初心者にとって最大の鬼門がバンカーでしょう。

バンカーとはコースに点在する砂の入ったくぼ地、砂場のことです。そしてこのバンカーから打つショットがバンカーショット。初心者にとってはいつもと違う状況のため、脱出するのに四苦八苦、バンカー恐怖症になってしまう人も。

とはいっても、コツさえつかめば意外とあっさりと脱出することもできます。
バンカーショットのコツをつかんで、更にゴルフを楽しみましょう。

バンカー内のプレーはルールが異なる?

バンカーショットは、フェアウェイやラフと異なるルールがありますので、まずはそれらをしっかり押さえておきましょう。

ルールの改定

2019年1月にゴルフのルールが大幅に改定されました。バンカーショットについても、次の2点のルール改定がされています。

1)落ち葉や小石、動物の糞など、打つのに邪魔な障害物(ルースインディペンデントと言う)を取り除いても良くなった。

2)2打罰でバンカーの外に動かして打っても良くなった。

新旧ルール比較

◯ルースインディペンデントの取り除きについて


ルール改定前
バンカー内では、打つ前にその砂の状態を確かめてはいけないことから、直接砂に手を触れてはいけないことになっていました。

ルール改定後
ルースインディペンデントを取り除くために手が砂に触れても良いことになりました。
ただし、ルースインディペンデントを取り除くときにボールが動いてしまうと1打罰となるので、注意深く取り除きましょう。


◯バンカーで打たなくてもよくなる!? 2打罰でバンカーの外に動かす処置について


ルール改定前
以前は、1打罰で元に戻ってプレーし直す、同じバンカー内でクラブの長さ(1クラブレングス)以内にドロップして打つなどの救済措置もありましたが、慣れないバンカーショットのため、なかなか外に脱出できずに3打も4打も打ってしまってパニック・・・ということもありました。

ルール改定後
ボールを2打罰でバンカーの外にドロップして打つことが可能になりました。
詳しくは、ホールとボールを結んだ延長線を基準線として、後方線上の地点で1クラブレングス以内にドロップできるというものです。
バンカーショットに苦手意識が強くどうも自信がない・・・という人には大いに助かりますね。
特に、バンカーの縁にボールがあってクラブを振りづらいなど、1打で出せないと判断したら積極的に利用することも良いでしょう。

その他の注意点

バンカーでは、ハザード状態の確認行為が禁止されています。そのため、クラブが砂につくのもNGです。
バンカーショットの際は、通常のショットのようにボールの手前の砂にクラブをつけて構えたり、ラフのように素振りで砂の固さを確かめることはできないので注意しましょう。

ただし、アドレスに入る時は、靴を砂にめり込ませて動かすことができるので、それで砂の固さなどを判断すると良いでしょう。

バンカーショットのマナーは?

バンカーに入ってしまった場合、次にプレーする人のためになるべくバンカーを荒らさないことがマナーです。

アゴの低いところから入る

「アゴ」とはバンカーの縁のところです。アゴが高いところは砂が崩れやすいので、できるだけ低いところから入るようにしましょう。その上で、ボールに一番近い場所から入ることで砂を荒らさずに済みます。

バンカーレーキの使い方

バンカーの周りには砂をならすためのレーキがいくつか置かれています。バンカーショットを打った後は必ずこのレーキを使って打った跡や足跡をならしてください。
使い方としては、最初にギザギザの方で全体の凸凹をならします。そのあと、平らな方でならした線を消すようにきれいに仕上げると良いでしょう。

レーキ使用後は元に戻す
また、レーキをバンカー内に放置しないことも気を付けてください。次の人がプレーすることを考えて扱うことが大事です。必ず元に戻しましょう。

バンカーから一発でボールを外に出すコツ

バンカーショットが苦手になる最大の理由は、バンカーショットを練習できるところが少ないからでしょう。コースに出て初めて打つという方も多いかもしれません。それだけに戸惑って緊張しがちです。
では、どうやって打てば良いのでしょうか。

まずは打つ前にすること~準備編

バンカーに入ってしまったら、まず打つ前にいくつか確認しておきましょう。

ボールの状態を観察する

ボールが砂の上にしっかり出ているか、砂の中にめり込んでいるのか、アゴは高くないかなど、その状態によって難易度が変わってきます。
まずはボールがどのような状態にあるのか良く観察しましょう。

脱出することを最優先と考える


初心者の場合、とにかくバンカーからボールを出すことが最優先です。ボールを出すために何打も費やしてしまうと苦手意識がつくばかりでなく、スコアに大きく影響してしまいます。

クラブはサンドウェッジを利用する


高く打つために、バンカーショットには通常「SW」と書かれたサンドウェッジクラブを使います。ウェッジなら56度や58度など、なるべくロフト角があるものを使います。

ではどのように打つ?~実践編

準備段階でしっかり確認をしたら、いよいよバンカーショットを打っていきます。

足を砂にしっかりと固定させ低く構える


砂場では足場が柔らかいためにスイング中に体がぶれてしまいます。しっかり砂に靴をめり込ませて低く構え、体がぐらつかないようにしましょう。

足は少し開き気味(オープン)に、クラブフェースは開いてアドレスする


足は目標から少し左に広げてオープンスタンスにします。逆にクラブのフェースは開いてアドレスします。
目安としては、目標に対して、足は10時から11時の方向に、クラブフェースは1時から2時くらいの方向にすると良いでしょう。

左足体重にしてボールも左側にセット


バンカーショットは、なるべく体重移動をさせずに手打ち気味に打ちます。
そのために、最初から左足に体重をかけておきます。左と右のバランスは6:4か7:3くらいで良いでしょう。ボール位置も体のセンターからやや左寄りにセットしましょう。

手前の砂ごとすくい取るイメージで打つ


普通のショットではダフりは禁物ですが、バンカー内では敢えて少しダフり気味に打ちます。
直接打ってしまうとグリーンを超えてホームランになるか、トップしてアゴに引っかかるなどのトラブルの原因になります。
ダフると言っても思い切り砂に打ちこんでしまうと、クラブが砂に刺さって結果ボールが出なくなってしまいます。
イメージとしては、ボールの5センチほど手前を、クラブの底(ソール)を滑らせるようにして、砂ごとすくいあげるように打つと良いです。これをエクスプロージョンショット(砂が爆発するように巻き上がるショット)と言います。

その他の注意点

ボールが砂に潜り込んでいる場合


ボールが砂の中にしっかりめり込んでいる場合は、先ほど紹介した打ち方だと出にくくなります。この場合は、逆にフェースを被せて、ロフトを立ててボールの手前をパンチショットするつもりで強く打ち込みます。そうすると簡単に出せることが多いので参考にしてみてください。

フェアウェイバンカーの場合


フェアウェイバンカーとはフェアウェイの左右にあるバンカーのことです。
まだ距離のあるバンカーの場合は、基本的には通常のショットと同じようにボールにクリーンに当て、距離を稼げるようにしましょう。

まとめ

バンカーショットは上級者にとってもトラブルになりやすく、苦手意識を持つ人が多いショットです。そのためゴルフ初心者にとっては、脱出できれば上出来!と気持ちを切り替えることも大事です。
ゴルフはこうした障害物をいかにこなしてスコアをまとめていくかというところにも醍醐味があります。「あ~バンカーに入っちゃた!」と、ガックリして頭を抱えずに、障害物も積極的に楽しめるようになると、上達も早くなります。是非頑張ってください!

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